一人の接遇から事業所の質が分かる

 サービス業であるはずの介護業界に何故接遇教育が行き渡らないのでしょう。

 確かに外部研修に一部の介護者が参加したり、講師を招いての自社研修もあったりします。しかし、殆ど常態化されていません。何故なのか、それは「接遇」という言葉の解釈が、介護現場にマッチングしていないからです。身に付け実行できるものに変換できなければ、良い結果を生みだすこともできません。義務的に幾度受けても、瞬時の理解で終わってしまうような研修であれば意味がありません。接遇の善し悪しは事業所の評価に繋がるものであり、今こそ、現場に合った継続的、組織的な接遇向上に自ら努めなければならないと考えます。

 それには先ず、事業所全体の接遇状況を客観的に判断してみる事が重要です。

1.デパートやホテルマンのようなマナーではなく、自分達が利用者或いはお客様だと想定した時に嫌な気持ちになる接遇をしていないかどうかを実例で検証してみる。

2.検証結果について全員で改善活動を進めるべく、一つの具体的目標を決めて実践する。

 3.組織として、1か月ごとの進捗状況を確認しながら最低1年間は継続する。

 難しいことではありません。実行するかしないかです。結果は必ず出ます。成果は利用者の喜びのみならず、職員の仕事の楽しさ、モチベーションにまで繋がるのです。

 

 たった一人の接遇から事業所の質が分かります。評価に直結します。クレームも大抵は接遇から起きることを責任者は分かっています。でも着手出来ないのです。法的に問われない接遇に力を入れるより人員基準を満たすことを優先してしまう傾向にあるのは大変残念なことです。資格取得は本人の意思ですが、接遇教育は組織の義務であると認識すべきです。

 人が集まる事業所とはどんな事業所なのかを考えてみて下さい。最も分かりやすく、結果の出やすい取り組みが、組織としての接遇教育による育成だと理解して頂きたいのです。

 “人事は介護を制す”と言われますが、接遇力のある人事でと願いたいものです。

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